悪女と肺病ー01

悪女と肺病1974〜6年01

真夏の思い出その1

オレンジ色に輝く阪神高速道路の外灯が天の川に見える。ここは橋村第二病院の203号室だ。入院したのは10月17日。入院して二週間は検査などで慌しく、心配やショックなどで寂しいと思う暇もなかった。しかし手術をしなくていいとわかると気持ちも落ち着き、引き換えに孤独感が湧き上がってきた。両親以外誰も見舞いに来てくれない。肺結核は伝染病だから、怖がっているのか、遠慮しているのか。孤独と退屈は、病気より自分を苦しめている。

病室は三人部屋でも、二人しか入室していない。同じ部屋には二十歳過ぎの男性がいる。彼には妹がいて、僕と同じ高校。その妹はとてもかわいい。母校のセーラ服を見る度に、学校が懐かしくなる。そして、僕が恋している女子生徒メグ、ホントにホントに恋しくなる。

4月23日、生徒会委員を選ぶ体育館での立会演説会で、ある女子生徒が僕の近くに腰掛けた。普通の女子生徒にはない大人びたふん囲気、端正な顔立ち、たちまち彼女に好意を抱いた。立会演説会が終ると、彼女はそうそうと体育館から出て行こうとする。僕もいそいそとその後を付けて行った。何課の女子生徒だろう、名前は何ていうのだろう、そう思っただけで胸が高鳴った。運動場まで行くと、クラスメイトの安達がいて、信じられないことに、彼女に手を振っている。彼女は安達のそばまで行くと、親しげに話し出した。

人なっつこい安達は入学当初からメグの知り合いで、僕は安達に彼女の情報を求めた。名前は山崎恵、通称メグ。誕生日は1月10日。学課は図案課。住まいは住吉区。僕が彼女と知り合いになりたいと言うと、安達は止めといた方がいいと言う。メグはやせた男が好きだからお前は無理だと言って、相手にしてくれなかった。

僕は想いを抑え切れず、彼女に手紙を書いた。しかし、彼女からの返事はなく、安達を通して迷惑だと言ってきた。なおも僕はあきらめず、彼女に好かれようとダイエットをした。晩御飯以外はほとんど何も食べず、運動を続けた結果、クラスの誰もが僕をやせた認めるようになった。そして、9月23日、彼女に電話して、デートしてくれと告げた。翌日彼女は安達を通して、僕に大嫌いと言ってきた。僕の恋は、9月24日に終わった。しかしながら、僕は過激なダイエットのために肺結核になっていた。

大阪の作家小説家コメディ作家小説家

おおへんり

20170810

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